医学講義│医学の勉強法〜臨床医学・基礎医学・中医学

真珠腫性中耳炎

【分類】
@先天性
胎児期に真珠腫の原因となる上皮が中耳腔に迷い込んでしまい(迷入)、真珠腫性中耳炎を引き起こしてしまうものです。

 

A後天性
今回の真珠腫性中耳炎は後天性を説明させていただきます。

 

【病態】
なんらかの原因で耳管が狭窄すると、中耳内が陰圧になり鼓膜をひっぱっるので、鼓膜が中耳側に袋状にへこんでしまいます。これを鼓膜の内陥といいます。
この鼓膜の内陥は鼓膜全体に起こるのではなく、一部分だけへこみます。多くの場合、鼓膜上部の柔らかい部分である弛緩部に内陥が生じます。

鼓膜全体がへこむ(内陥)のは癒着性中耳炎でみられます。
癒着性中耳炎は鼓膜全体が内陥し、中耳に癒着してしまうものです。

この袋状のへこみには耳垢が溜まりやすく、、耳垢の塊を基本とする「真珠腫」を形成していきます。へこんで耳垢が溜まっているこの部分は細菌が繁殖するのに好都合であり、細菌感染がおこります。
真珠腫に細菌感染がおこると、特殊な酵素(サイトカイン)が産生されます。この酵素は周囲の骨を溶かす性質があり、真珠腫は大きくなりながら周囲の骨を破壊していきます。

名前の通り、中耳に真珠腫ができてしまいます。真珠腫は“腫”とありますが、腫瘍ではありません。

 

【原因】
耳管狭窄滲出性中耳炎が原因となります。どちらも中耳内が陰圧になることが誘引となります。

 

【症状】
初期の頃には耳痛や耳漏(耳だれ)がみられます。真珠腫に細菌感染が生じるので膿性の耳漏(耳だれ)となり、特徴としては悪臭を放ちます。

 

真珠腫は大きくなりながら外耳道の骨、中耳、内耳と破壊の範囲を拡げていきます。
まず真珠腫ができあがった近くの耳小骨が破壊され難聴を生じます。これは中耳の障害なので伝音難聴となります。

 

真珠腫の増大が内耳まで達すると蝸牛や半規管がやられ、それぞれ感音難聴、めまいを生じます。初期には伝音難聴でしたが、内耳まで破壊されると感音難聴も出現し、混合難聴となります。

 

半規管のそばには顔面神経管が存在しており、破壊がそこまで達すると顔面神経麻痺が出現します。さらに進展すると、頭蓋骨も破壊し髄膜炎脳膿瘍といったの重篤な合併症を生じることもあります。

 

真珠腫が鼓膜に穴をあけ(鼓膜穿孔)、内耳までも破壊すると、外耳から内耳まで「一本の管」のようになります。この場合、瘻孔現象Tullio現象がみられます。

 

【検査】
耳鏡検査にて鼓膜を観察し、真珠腫の存在を確認します。
側頭骨CTにて骨破壊像がみられます。
純音聴力検査(オージオグラム)では中耳が障害され伝音難聴なので気導骨導差(A-B gap)を認めます。

 

【治療】
治療は真珠腫の摘出をし、鼓室形成術を行います。
真珠腫は取り残してしまうと高率で再発してしまうのでしっかり除去します。また、鼓膜の内陥していた部分や、外耳道の骨をしっかり補強しなければ、またその部分に真珠腫が生じてしまいます。
中耳の破壊された耳小骨は軟骨を用いて再建する鼓室形成術を行います。

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