医学講義│医学の勉強法〜臨床医学・基礎医学・中医学

排尿生理

1)尿意を感じていない段階

@尿量が50mlまで

膀胱に尿が貯まり始め、尿量が約50mlまでは尿量の増加にともなって膀胱内圧が上昇します。

 

A尿量が150〜300mlまで

蓄尿時の関わる筋・作用・支配神経

 

作用

支配神経

膀胱排尿筋

弛緩

下腹神経(交感神経)

内尿道括約筋

収縮

下腹神経(交感神経)

外尿道括約筋

収縮

陰部神経(体性神経)

尿量が50〜150もしくは300mlまでは、膀胱壁が伸展され伸展受容器が興奮すると、骨盤神経を介して仙髄の排尿中枢(仙髄排尿中枢:S2〜S4)へと伝えられます。仙髄排尿中枢は仙髄排尿中枢は反射性に下腹神経を通じて膀胱を弛緩、内尿道括約筋を収縮させることで膀胱内圧をあまり上昇させず尿を貯めることができます。
これと同時に陰部神経が興奮して、外尿道括約筋を収縮させ尿が漏れ出るのを抑制しています。

下腹神経(交感神経)は膀胱排尿筋と内尿道括約筋を支配しており、蓄尿時には膀胱排尿筋を弛緩、内尿道括約筋を収縮させることで、尿が漏れないようにしています。
膀胱排尿筋は下腹神経(交感神経)と骨盤神経(副交感神経)に支配されており、蓄尿時には下腹神経(交感神経)により弛緩、排尿時には骨盤神経(副交感神経)により収縮されます。

この段階までではまだ尿意を感じていません。

 

2.尿意を感じている段階

150〜300ml(膀胱内圧:15〜20cmH2O)…尿意を感じ始める。(我慢できる)
400ml…尿意が高まる(まだ我慢できる)
600〜800ml…膀胱の自律性収縮(我慢の限界)

@尿量が150〜00ml
 

作用

支配神経

膀胱排尿筋

収縮

骨盤神経(副交感神経)

内尿道括約筋

弛緩

下腹神経(交感神経)

外尿道括約筋

弛緩

陰部神経(体性神経)

膀胱内の尿量が150〜300ml貯まり、膀胱内圧が15〜20cmH2Oになると膀胱壁が伸展すると、伸展受容器が興奮します。その信号は骨盤神経の求心路を上行し、大脳皮質(感覚野)まで伝えられ、おしっこしたいという尿意を感じます。

 

A尿量が400ml

尿量が400mlを超えると膀胱内圧が急激に上がり、膀胱壁がさらに引き伸ばされ、伸展受容器が興奮します。骨盤神経の求心路がさらに活発になり、橋の排尿中枢に興奮が伝えられます。
この橋の中枢のことを橋排尿中枢(PMC:pontine micturition center)と呼びます。

 

橋排尿中枢は(PMC)は骨盤神経を興奮させ膀胱(排尿筋)収縮、また下腹神経の活動を低下させ内尿道括約筋を弛緩させます。これにより排尿がおこります。

 

膀胱からの興奮は橋だけでなく、大脳皮質まで伝えられ、尿意を感じています。

 

しかし、膀胱内圧が急激に上がり、膀胱壁が伸展して信号が橋排尿中枢は(PMC)に来たからといって、反射的に排尿してしまうのも困ってしまいます。そこで橋排尿中枢(PMC)をコントロールしている場所があります。それが大脳皮質(運動野)です。大脳皮質は通常、橋排尿中枢は(PMC)を抑制して排尿しないようにしています。強い尿意があっても、トイレまで我慢できるのはこのおかげです。
意識的に排尿をしようとする際に、橋排尿中枢(PMC)への抑制が解除されます。

 

排尿時には大脳皮質(運動野)が陰部神経の活動を低下させて外尿道括約筋を弛緩もさせています。

 

大脳皮質からの橋排尿中枢(PMC)への抑制は2〜3歳で完成します。
まだ発現していない乳児ではおねしょ(夜尿症)や、成人で橋排尿中枢(PMC)への抑制の不調がある場合には尿失禁をおこします。

*排尿に関わる神経支配
排尿には、3つの筋(膀胱排尿筋内尿道括約筋外尿道括約筋)が関与している。
膀胱排尿筋は副交感神経である骨盤神経によって排尿時に収縮します。また、交感神経である下腹神経によっても支配されており、蓄尿時の膀胱の弛緩に関わっています。

 

内尿道括約筋は、交感神経である下腹神経によって支配され、収縮に関わっています。排尿時には下腹神経の活動が低下し内尿道括約筋は弛緩します。

 

外尿道括約筋は、体性神経である陰部神経によって支配され、これも収縮に関わっています。外尿道括約筋は随意筋なので、自分の意思で尿を我慢することができます(尿禁制)。

B尿量が600〜800ml

正常の膀胱の容量は300〜500mlです。
排尿せず、もしくは排尿できず膀胱にどんどん尿が貯まり続けていくと限界がきて破裂してしまいかねません。そこで膀胱には本当に限界が来た時には勝手に自分で収縮を起こし、尿を出そうとするしくみがあります(自立性収縮)。これは尿量が600〜800mlに達すると起こります。尿量600〜800mlですと、正常な膀胱の尿量をはるかに超えパンパンな状態です。

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