医学講義│医学の勉強法〜臨床医学・基礎医学

食道アカラシア

【概念】
食道平滑筋内のアウエルバッハ神経叢変性・消失することで、下部食道括約筋〈LES〉が緩まなくなってしまう疾患です。
アウエルバッハ神経叢は消化管の神経叢なので、迷走神経に支配され自分の意思では動かすことができません。(消化管は平滑筋なので不随意筋である)なので、アウエルバッハ神経叢の変性・消失により迷走神経からの支配を受けなくなった食道下部は自分勝手に収縮してしまい緩まなくなってしまいます。

 

※アカラシア…後天性のアウエルバッハ神経叢の異常
  ヒルシュスプルング病…先天性のアウエルバッハ神経叢の異常

※ヒルシュスプルング病もアウエルバッハ神経叢の異常であるが、先天性疾患であるので注意すること。

 

【疫学】
20〜40歳代に多い。

 

【症状】
下部食道括約筋〈LES〉が緩まないので食道から胃に食物を飲み込みにくく、嚥下困難をきたします。
(アカラシアは「冷たい液体」が飲み込みにくいのに対して、食道癌は「固い物」が飲み込みにくいことが特徴です。)

 

食道内に本来ない食物が停滞してしまうことによって刺激が加わると食道炎を引き起こします。食道で長い間食物が停滞したために起こる食道炎ということで停滞性食道炎とよばれます。さらに刺激が加わり続けることで食道粘膜が突然変異を起こしやすくなり、食道癌も引き起こします。

 

【検査】
・食道造影検査(バリウム検査)
下部食道の狭窄とその上の拡張している画像をみることができます。

 

・内視鏡検査
アカラシアはアウエルバッハ神経叢が変性したもので機能的な疾患なので、生検してみても異常は見られません。
しかし食道癌になるリスクがあるので食道癌の特定のために大切な検査です。

 

・食道内圧検査
下部食道括約筋がきつく収縮しているのでLES圧が上昇します。

 

【治療】
下部食道括約筋(平滑筋)の収縮を取り除くためカルシウム拮抗薬亜硝酸薬を用いられます。
しかしこれらは一時的に通過障害が改善するにすぎないので、狭窄部位にバルーンを挿入し膨らませ開かせるバルーン拡張術が行われます。
さらにこの狭窄部位の筋層を切開し、物が通るようにするHeller手術が行われます。

Sponsored Link

ホーム お問い合わせ