医学講義│医学の勉強法〜臨床医学・基礎医学

マロリー・ワイス症候群(Mallory-Weiss症候群)

【概念】
お酒を飲んだ後に激しい嘔吐をすることにより、食道胃接合部の粘膜が裂けて吐血をみます。
食道壁が粘膜下層まで裂けるものであり、食道壁全層が裂ける突発性食道破裂(Boerhaave症候群)とは異なります。
特に食道小彎が裂けやすくなってます。

 

※マロリー・ワイス症候群は粘膜下層までの裂創で、特発性食道破裂では食道壁全層の裂創であることに注意すること。

 

【原因】
飲酒後の嘔吐などで急激に腹腔内圧が上昇することが原因です。

 

【症状】
大量にお酒を飲み、何度も嘔吐を繰り返した後に吐血します。

 

*吐血(とけつ)…消化管から出血した血を口から吐くこと。
  喀血(かっけつ)…呼吸器系から出血した血を口から吐くこと。

 

この吐血は食道壁が裂けてすぐ見られる血液なので、新鮮血です。
吐血は暗赤色(コーヒー残渣様)という表現をよくされますが、これは赤血球中のヘモグロビンに含まれる鉄が胃酸と反応することで起こる色です。
鉄を酸につけると錆びる原理と同じだからわかりやすいですよね。
今回のマロリー・ワイス症候群では食道で出血し、胃酸に触れること無く口から出るので新鮮血です。

 

【検査】
緊急内視鏡検査で食道胃接合部の粘膜の裂創とそこからの出血を見つけることで確定診断となります。

 

【治療】
特になにも治療しなくても自然に止血することが多いので保存的治療がほとんどです。
大量出血が続く場合には、内視鏡的にクリッピングをします。

 

 

※マロリー・ワイス症候群と特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)の対比

 

マロリー・ワイス症候群

特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)

原因

急激な腹腔内圧の上昇

(飲酒後の嘔吐)

急激な腹腔内圧の上昇

(激しい嘔吐、排便や分娩時のいきみすぎなど)

好発部位

食道小彎

食道下部1/3の左側

裂創の深さ

粘膜下層まで

全層性

症状

吐血(新鮮血)

激しい胸痛、ショック、縦隔気腫、縦隔炎

治療

保存的治療

大量出血が続く場合クリッピング

緊急手術

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