医学講義│医学の勉強法〜臨床医学・基礎医学

食道憩室

【概念】
食道壁の一部が外に向かって膨らみ「部屋」を作っている状態のことです。

 

【分類】
@Zenker憩室(ツェンカー憩室)
咽頭から食道の移行部(上部食道)には筋層の弱い部分があり、そこから食道内腔が飛び出し「部屋」ができます(圧出型)。
筋層の弱い部分が飛び出したため、憩室壁には固有筋層がありません。(仮性憩室

 

ARokitansky憩室(ロキタンスキー憩室)
結核性リンパ節炎が気管分岐部の食道壁に波及して、癒着した食道壁を外から引っ張られることでできた「部屋」のことです(牽引型)。
食道をそのまままるごと引っ張るので、その憩室壁には固有筋層がしっかりとあります。(真性憩室

 

B横隔膜上憩室
下部食道には胃から食道に胃内容物が逆流しないように下部食道括約筋〈LES〉が収縮しています。これによりLES圧が上がっているのですが、横隔膜上の抵抗の弱いところからそのLES圧により食道内腔が飛び出し「部屋」をつくります(圧出型)。
抵抗の弱い部分が飛び出すので、もともと筋層の弱い部分が飛び出してるので憩室癖には固有筋層がありません。(仮性憩室

 

 

圧出型と牽引型
憩室は食道内腔が外に飛び出し「部屋」を作るのですが、@食道内の圧が強くなり外に押し出すのか、A食道の外から食道を引っ張るかの2つの機序で「部屋」が形成されます。
@の食道内の圧の勢いが強く、食道内腔が外に飛び出し「部屋」ができるものを圧出型といい、Aの食道外から引っ張る力が強く、食道内腔が外に引っ張られ「部屋」ができるものを牽引型といいます。

 

食道憩室で圧出型に分類されるのはZenker憩室横隔膜上憩室であり、牽引型に分類されるものはRokitansky憩室です。

圧出型…食道内の圧の勢いが強く、食道内腔が外に飛び出し「部屋」ができるもの。
牽引型…食道外から引っ張る力が強く、食道内腔が外に引っ張られ「部屋」ができるもの。

 

真性憩室と仮性憩室
外に飛び出し「部屋」である憩室壁に固有筋層があるかないかで仮性憩室真性憩室という分類の仕方があります。
仮性憩室は憩室壁に固有筋層がないもので、真性憩室とは憩室壁に固有筋層があるもの、と分類されます。

 

食道憩室で仮性憩室に分類されるものはZenker憩室横隔膜上憩室であり、真性憩室に分類されるのはRokitansky憩室です。

仮性憩室…憩室壁に固有筋層がないもの。Zenker憩室、横隔膜上憩室、十二指腸憩室、大腸憩室
真性憩室…憩室壁に固有筋層があるもの。Rokitansky憩室、胃憩室、Meckel憩室

Sponsored Link

ホーム お問い合わせ