医学講義│医学の勉強法〜臨床医学・基礎医学

食道裂孔ヘルニア

【概念】
食道裂孔から胃が胸腔内に飛び出してしまう(脱出する)ことです。

食道裂孔とは横隔膜にある穴で、食道が通ります。
横隔膜には食道裂孔の他に大動脈裂孔、大静脈孔という2つの穴があります。

【原因】
高齢者の女性に多く、加齢によって靭帯が弱くなったことによるものと思われます。
妊婦肥満者にも多く、これは腹圧が常にかかっていることで胃が食道裂孔から飛び出してしまうからです。

 

【分類】
食道裂孔ヘルニアには滑脱型、傍食道型、混合型の3つの型があります。
@滑脱型
胃噴門部が食道裂孔から胸腔内に飛び出してしまったものであり、3つの型のうちもっとも多くほとんどがこの型です。

 

A傍食道型
胃の一部が食道裂孔から胸腔内に飛び出してしまったものです。
胃噴門部はしっかりと横隔膜よりも下の腹腔内にちゃんとあります。
滑脱型の次に多いけれども4〜5%がこの型になります。

 

B混合型
まさに名前の通り滑脱型と傍食道型が混ざったものになります。

 

【症状】
@滑脱型
胃噴門部が食道裂孔から胸腔内に飛び出してしまっているので、食道胃接合部は通常の位置よりも上に上がってしまいます。
胃内容物の逆流を防止するものとしてLES圧が関与していましたが、横隔膜でも逆流防止に関与していました。その横隔膜よりも高い位置に食道胃接合部が移動してしまうことで胃内容物が逆流しやすくなり胃食道逆流症(GERD、逆流性食道炎)を合併しやすくなってしまいます。

 

A傍食道型
胃噴門部は横隔膜よりも下の腹腔内にちゃんとあるので横隔膜による逆流防止がしっかり作用するので逆流はおこりません。
しかし食道裂孔から胸腔内に飛び出してしまった胃の一部が嵌頓しやすくなります。

 

B混合型
滑脱型と傍食道型が混ざったものなので、もちろん混合型でも胃食道逆流症(GERD、逆流性食道炎)を合併します。

 

【治療】
無症状のことが多いので、保存治療を行います。
腹圧がかかることで症状が悪化するので、太っている方には体重を減らすように指導します。
胃食道逆流症〈GERD(逆流性食道炎)〉を合併する場合胸やけや食道潰瘍をおこすので、
その場合、胃食道逆流症(GERD、逆流性食道炎)の治療に準じて胃酸分泌を抑える薬であるプロトンポンプインヒビター(PPI)H2受容体拮抗薬(H2blocker)を用います。

 

 

滑脱型

傍食道型

混合型

特徴

食道胃接合部が正常より上に上がる

嵌頓しやすい

合併症

胃食道逆流症(GERD、逆流性食道炎)

胃食道逆流症(GERD、逆流性食道炎)

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