医学講義│医学の勉強法〜臨床医学・基礎医学・中医学

特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群、Boerhaave症候群)

【概念】
マロリー・ワイス症候群と同じく、激しい嘔吐などにより腹腔内圧が上昇することで、食道壁全層が裂けます。特に食道下部1/3左側が裂けやすいです。
食道は下に行くほど壁が薄くなり、食道下部左側は比較的周囲の構造との間に余裕があるので圧がかかりやすい部位となっているのでここに好発します。

 

※マロリー・ワイス症候群は粘膜下層までの裂創で、特発性食道破裂では食道壁全層の裂創であることに注意すること。

 

【原因】
激しい嘔吐や、排便や分娩時のいきみすぎなどで腹腔内圧が上昇することが原因です。

 

【症状】
激しい嘔吐の後に、急に激しい胸痛が起こります。食道が破裂してしまっているのだか胸のあたりに痛みがでるのは当然ですよね。
破れた食道壁から縦隔に空気が漏れる縦隔気腫が出現します。漏れるものが食物や細菌であれば縦隔炎を起こします。

 

【検査】
胸部X線検査で、縦隔気腫が黒く写ります。

 

【治療】
食道壁全層が裂けてしまっているので、緊急手術で縫合閉鎖を行います。

 

※マロリー・ワイス症候群と特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)の対比

 

マロリー・ワイス症候群

特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)

原因

急激な腹腔内圧の上昇

(飲酒後の嘔吐)

急激な腹腔内圧の上昇

(激しい嘔吐、排便や分娩時のいきみすぎなど)

好発部位

食道小彎

食道下部1/3の左側

裂創の深さ

粘膜下層まで

全層性

症状

吐血(新鮮血)

激しい胸痛、ショック、縦隔気腫、縦隔炎

治療

保存的治療

大量出血が続く場合クリッピング

緊急手術

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